のどぐろが一番おいしい旬の時期

のどぐろが一番おいしい旬の時期

のどぐろ

 

のどぐろは年中脂乗りが良く、いつ食べてもおいしい魚です。
旬の時季は諸説があり、地域や人によって言うことが違います。

 

2007年3月に島根県水産技術センターが実施した脂質量と、季節変動に関する研究結果では、季節による差はないという結論がでています。
脂質だけの世界では同じなんですね。

 

産地によってエサも育ち方も違うため、地域ごとに「旬」があると考えるのが自然です。
特にのどぐろは地域によって「旬」と言われる季節がバラバラなので、それぞれの説、地域ごとに本記事でご紹介します。

 

各県が推奨する時期を旬とするのであれば、夏は新潟産、秋〜冬は島根県または九州産、冬は石川県産になります。

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旬の時期における諸説

夏から秋の産卵期が一番うまい説

魚の卵

のどぐろの産卵期は7月〜10月です。
この期間で、産卵期が終わる前の9月ごろまでが一番おいしいというのが説としては最も多いものです。
例えば新潟県などでは、この頃が旬としています。(全国のプライドフィッシュ 新潟県

 

そもそも産卵期になぜ味が変わるのでしょうか?
一般的な魚の多くは産卵のためにエサを盛んに食べます。この行為を索餌(さくじ)と言います。
これによって普段よりも脂乗りがよくなることで味が増すという理屈です。

 

逆に産卵期は味が落ちるという魚もいます。
例えばヒラメは3月〜7月ごろですが、ヒラメの場合は白子や卵に栄養を取られて身がやせ細ります。
ことわざにも「三月ヒラメは犬も食わぬ」というぐらい味が違います。

 

味にあまり差がない魚も当然います。
産卵期は産卵場所とエサのために、魚は普段よりも浅い水域に移動する習性があります。
そのため、水揚げが増え、口にする機会も増えることから美味しいと思うケースも考えられます。

 

いずれにしろ、産卵期がおいしいという人がいる限り他人がどうこういうのは難しいですね。
私は月1回はノドグロを食べていますが、いつ食べても味に違いは無いと思っています。

 

ちなみにうちの嫁は産卵期には痩せていったので、どちらかというとヒラメタイプでした。
(犬も食わぬ・・・ってか)

 

 

秋が旬だという説

秋

9月から12月にかけてが旬だとするのが島根県を中心とした地方です。
島根県ではノドグロをブランド化していますが、この時期に獲れたノドグロだけに「どんちっちノドグロ」というブランド名をつけることができます。

 

島根県の主な漁場である山陰沖では、特に8月の夏以降は中型・大型のノドグロが水揚げされます。

 

のどぐろは、大きいほど脂乗りが良いという研究結果もあり(島根県 水産技術センター2003年調べ)、山陰沖のノドグロは秋から冬にかけてが旬だということが定着しています。

 

私個人的にはこの時期に捕れたノドグロが干物に加工され、冬以降から春にも販売されている島根県産のノドグロ干物をよく購入しています。

 

 

冬が一番うまい説

冬

晩秋の11月から2月にかけてがおいしいという人もいます。

 

晩秋から冬にかけて寒さに耐えるために脂肪を蓄えるという説から脂乗りが良いということです。
金沢では「のどぐろ」と言えば冬に食べるという考えが定着しています。

 

味ではなく、保護のために産卵期を避けて冬にとるという説もあります。

 

個人的には冬の時期になるとお財布のヒモがゆるくなるのが理由ではないかと考えます。
食に関して親戚が集まって鍋をやったり豪勢な食事をするならいいものが食べたいですよね?

 

冬になると売れ行きが良くなるのはただ単に味がいいだけでなく、季節的な行動が少なからず関係しています。
のどぐろに限らず、ちょっとした高級品が売れるのも年末の時期です。

 

 

次章でご紹介する内容では、季節による脂乗りに差はないことが研究結果として結論づけられています。

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季節による脂乗りと個体差の関係

 

のどぐろ

 

2007年3月に島根県水産技術センターが報告した研究結果があります。

 

のどぐろは脂乗りを期待して食べる人がほとんどですが、脂の乗りは季節ではなく、個体差が大きいことがこの島根県の研究により判明しています。

 

結論としてのどぐろに関して以下が科学的に証明されています。

  • 島根県の「のどぐろ」は脂質が明らかに多い
  • 小型よりも大型の方が脂乗りが良い
  • 季節的な変動よりも個体差の方が脂乗りに差がある
  • 見た目で脂乗りは判断ができない

 

(研究概要)
若干古い調査ですが、2000年から2005年の5年間をかけて島根県海域2カ所、県外2カ所で漁で捕獲されたのどぐろを検査し、のどぐろを全国に広めるための方法を探りました。

 

検査は捕獲したのどぐろをフードミキサーにかけて1匹ずつ脂質分を調べるという気の遠くなる作業を5年間も続けました。

 

 

 

 

まとめ

のどぐろ旬のカンレンダー

結果的に脂の乗りは年中差はないことがわかりました。
脂だけがおいしさの目安ではありませんが、やはりのどぐろを食べようとする人たちは「白身のトロ」と言われる脂乗りに期待するのは当然です。

 

「旬」は食べ方によっても変わります。
例えば、子持ちの煮付けが楽しみたい場合は産卵期にあたる8月から10月。
鍋にしたいならば12月から2月にかけてがシーズンです。(夏に鍋は・・・)

 

塩焼きや、干物・一夜干しであれば季節を問わず楽しむことができます。

 

 

産地で選ぶなら、夏は新潟産、秋〜冬は島根県または対馬産、冬は石川県産でどうでしょうか?
各県が旬だという時季です。
ちなみに春から初夏に食べるなら冬にあがったノドグロが加工された島根や九州産の干物がおすすめです。

 

このように、のどぐろの旬に対する考え方は人それぞれですから、おすすめの時期に食べてみたり、自分ならではの「旬」を探してみるのも良いかもしれません。

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