のどぐろの干物
のどぐろに限らず加工方法としては有名で多くの魚が干物にされて販売されています。
代表的なのは干物に適したアジですが、のどぐろも干物に適した魚です。
元々は保存食として誕生した干物ですが、いまだに残るのは干物にすると旨みが増すためです。
現在の技術であれば干物以外で保存する方法なんていくらでもありますが、この「うまみ」が大きいためになくならない加工方法なのです。
のどぐろは日本海側が主な漁場となるため、遠方から流通させるにも保存がきき、うま味も増すのは一石二鳥。
のどぐろの干物に関して詳しくご紹介します。
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干物(ひもの)とは
干物とは主に魚類で水分を適度に抜いてある加工方法です。
魚類以外の野菜や果物で、完全に水分が抜けたものは、乾物(ひもの)と漢字が違います。
完全に水分が抜けた乾物は常温でも保存が可能です。
ところが、干物は水分がまだ残っているため保存食といっても最大でも1週間程度しかもちません。
干物は、干したり乾燥機によって魚の水分を減らし、表面に膜をつくることができます。
昔から日本では慣れ親しまれた保存方法です。
のどぐろでも干物で販売されている商品は数多くあります。
干物にする理由
元は冷蔵庫がない昔の人が、美味しい魚をなが〜く食べられるように工夫した保存食品です。
当時は保存だけが目的に干物にされていたのです。
現代ではどうでしょうか?
あなたの家にもお隣さんの家にも冷蔵庫はあるはずです。
保存が目的であれば現在では冷蔵庫の方が上なのは間違いありません。
未だ干物が残り、面倒な加工を行うのはおいしいからです。
従来は保存が主だったのが、今ではおいしいから干物にするように目的が時代とともに変わってきたのです。
更に保存技術が発展したといっても、やはり干物の方が日持ちするため、保存もでき、美味しさも増すという一石二鳥となるのです。
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干物にするとおいしくなる理由
干物の旨味が増す
元々魚にも旨味成分がありますが、干物にするとこの旨味が更に増します。
のどぐろをはじめとした魚に限らず、日本人はどんな食材でも「旨味(うまみ)」でおいしさを感じます。
これは日本人の食生活に起因します。
生まれた時から、昆布、カツオ節や緑茶など旨味が強いもので育っているため、外国人よりも旨味を感じる味覚が発展しているのです。
干物にすると旨みが増す理由
では、なぜ干物にすると旨味が増すのでしょうか。
旨味とは魚の場合では、イノシン酸とグルタミン酸というアミノ酸のことを言います。
アミノ酸は酵素の働きによって生成されます。
酵素を活性化 => アミノ酸が多い => 旨味が増す => 美味しい
となるのです。
酵素は37度付近で最も活性化します。
37度付近というと丁度天日干ししたり、真夏なら陰干しした温度です。
干すことで酵素の働きを活性化させ、更に表面を乾燥させることで旨味が凝縮されて干物は超美味しいものとなるのです。
干物を2つに開く理由
干物は基本的に半分に開いた状態のものが大半です。
これは先に紹介した酵素をよく働かせ、水分も飛びやすくするためです。
小さな魚になると開かなくても干物にできますが、アジでもノドグロでも干物は開くのが基本です。
干物に適した魚と適さない魚
どんな魚でも物理的には干物にすることができますが、美味しくなる魚とそうでもない魚があります。
代表的なポイントとして次があげられます。
水分が比較的多い魚であること
干物は水分を飛ばして旨味を凝縮させます。
その水分自体が少なければ凝縮させることができなくなってしまいます。
例えば、そうめんのつゆ2倍濃縮は味が濃いですが、水分がなければ2倍濃縮なんてつくることはできません。
脂がのっている魚であること
マグロの赤身の干物なんて聞いたことがないと思います。
干物は脂が乗っているほど美味しく仕上がります。
代表的な魚の例
カマス(秋)、真あじ(6〜8月)、丸あじ(11月〜3月)、真サバ(9月〜2月)、サンマ(秋)、キンメ(冬)、キンキ(冬)、ホッケ
まとめ
のどぐろも干物に加工されて売られているものが多くあります。
塩焼きでもおいしいノドグロですが、干物にすることで更に旨味が凝縮されて至福の味となります。
オススメは漁場でも加工場でも日本屈指の島根産のどぐろの干物です!
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